2012年2月22日水曜日

蟻鱒鳶ル

ずっと大笑いで能天気に生きてきた。建築家になるぜ!といつも鼻息が荒かった。
だけど二十代終わりに、同世代で既に活躍をしていた何人もの建築家たち(西沢立衛、塚本由晴、、、)に出会い、愕然とした。
建築家とはこれほど真摯で情熱的な人種なのかと。
俺なんかじゃとてもたちうち出来ないと落ち込んだ。
それまで信じていた自信はハリボテで、自分には何も無いのだと知った。
唯一の拠り所だった高山建築学校の倉田先生も亡くなられた。
本当はもう建築から逃げるしかなかったのだ。
なのに、小さな土地を買ってしまっている。
希望も無く、未練がましく建築を考えていた。
そんな情けない僕の考えに耳を傾け、応援してくれたのが建築家の石山修武さんだった。
でも、僕の何をほめてくれているのかさえ解らず石山さんの元を離れた。

「僕は自信がなくショボい」ここがスタート地点だ。自信をつけるには自分が信じたデザインを、自分が考えたやり方でやり抜くしかない。
自らを信じる、だ。
蟻鱒鳶ルの完成はまだまだだけど、ここまでやれている事は、本当にうれしいし、へにょへにょだった僕に少しだけど強い自信も与えてくれている。

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