2013年7月9日火曜日

フィンランド2

フィンランドがとても貧しくて、辛かった時代にアールトや、カイフランク、タピオヴィルカラというデザイナー達が現れ、素晴らしい作品を作りとても勇気を与えてくれた。これらの先人をとても誇りに思う、と僕らの友人、マッティーさん、エーロさんは言う。
彼らは、富裕な金持ちではないが、ちょっと名の知れたコレクターである。
二人が暮らす狭いワンルームの部屋の中には、大量に蒐集し続けられた作品が、食卓とかにも所狭しと飾られ、もうまるで機能していない。スムーズな暮しなど無視。美術作品の倉庫の片隅で暮らしてるようなカッコウになっている。
そのくらいの気合いだ。
その中で彼らが最も大切にしているのがこの素朴な技法で作られた陶板。森のようなライオンのお腹に鹿か何か。
国民的デザイナーのタピオヴィルカラの妻が作ったモノだそうだ。横幅が80センチくらい、なかなか大きい。
彼らの部屋に行くと僕はいつも釘付けになる。

今回のフィンランド行きの作業がほとんど終わった日の夕方、彼らは車を飛ばし、僕らを田舎町の美術館に連れて行ってくれた。ガラス工場を改装して作られた美術館では、タピオヴィルカラの展覧会が行われていた。
ヴィルカラの作品には、ガラスのモノが多く、金属のモノ、木のモノなどもある。その素材そのものが内包している美しさの可能性を発掘するかのような作品が多い。
ガラスの加工として当時流行ったであろうメジャーな技法には依らず、自分の目と手と頭で掴みとった独自の技法が駆使されている。しかも、ありとあらゆる角度から素材に肉薄する。
凄い。

藤森照信さんに書いてもらった言葉。
「コンクリートに腰まで浸かるうちに、いつしか身体中に滲み入り、岡の五体を通ってまた外に出てきて生まれた空間にちがいない。、、、。」
この言葉には、現実の僕は、恐れ多く程遠い。
そんなやり方、知らない。ただビビる、、、。
でも、ヴィルカラを見た。
こういう風にやるんだ。
素材を抱きしめるようにして、
魂を聞くかのように、没入するんだ。

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