「蟻鱒鳶ル」読みは「アリマストンビル」、友人マイアミが名付け親です。2005年の着工以来、沢山の友人達に手伝ってもらいながら、植物のように、ゆっくりゆっくり出来ている小さなビルです。 蟻鱒鳶ルのコンクリートは、上質の砂とジャリを使い、水セメント比は37%、少しずつの量を箕で丁寧に型枠に入れ、一週間以上水をかけながら養生します。出来たコンクリートはギュッと詰まった感じです。ある研究者には「200年以上保つ」と言ってもらえました。 200年!!想像も難しいとても遠い未来です。 「蟻鱒鳶ルを200年残す価値のある建築にする」事は、凡才の僕にとって身震いし、足のすくむ仕事です。 でも、もう信じているんです。 蟻鱒鳶ルの在る未来を。
2019年9月18日水曜日
のせでんアートライン
大阪の一番北に能勢電鉄という小さな鉄道会社があり
その沿線一帯で行われる「のせでんアートライン」というアートビエンナーレが今年も開催され、岡も参加します。
2年前、杉本博司さんに再開発での辛さを話していたら「蟻鱒鳶ルはアートとして売りなさい、その為にあなたはアーティストになりなさい」と助言をもらい、まるで歯が立たないなぁとションボリ諦めていた「アート」に今一度、向き合う事にしました。
アートとは一体何なのか?まーまだまだサッパリです。
無理せず、背伸びせず、素直にやってみようと、、。
今回のステートメントです。
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『もう一度、グリグリと強い線を引く』(←これタイトル)
京都や大阪を裏側から支えてきた能勢。
その大らかな自然と人々の豊かな暮らしが長い間に織りなしてきた美しい里山の風景の中に爽やかな希望をもって「ときわ台」は作られた。
この新しい街の真ん中には中学校やショッピングセンターが計画され、その賑わいから深い森の方へ誘うように真っ直ぐな緑の遊歩道がニュータウンの端まで描かれた。
そこから少しだけ斜面を登れば森だ。
この接続をどうすれば良いのか?様々な検討がなされたであろう。
大きな階段で繋ぐ?細くゆるやかな斜路で繋ぐ?花をたくさん植えようか?一面桜なんてどうだろう?登り切った先は自分たちの住む街を一望出来るステキな場所、さー!そこはどう作る?
幾重にも線が引かれたはずだ。
だけど、なぜか、その線は全て消されてしまった。
予算の問題だったのか?森側の人々に拒まれてしまったのか?
誘う遊歩道はブツッと途切れ、断絶が表現されているかのようでさえある。
ときわ台に住む何人かに、この街の感想を聞いた。
何も無い、ツマラナイ、田舎、、、
もったいないと思った。
この天晴れなほどの美味しい空気を深呼吸出来ていない。
僕は、消されたあの線をもう一度引きたいと考えた。
消された事情を思うと、ここを繋ぐ事は簡単ではないという気もするから、
二百年保つと言われている蟻鱒鳶ルコンクリートでグリグリと力を込めて強い真っ直ぐな線を引く。
この線で多くの人に、ときわ台が森に繋がっている事をハッキリと知らしめる。
他所者の僕の出番はココまでだ。
山とニュータウンは接続するだろうか?
ここが繋がり、森から吹き込む清らかな風は、少し元気をなくしたときわ台に力を与えてくれると僕は信じてます。
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どうぞよろしくお願いします!
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