ゲラさんは、皆が椅子を作ってる時のBGMに最近京都で録った水琴窟の音などをながしてくれてた。
「蟻鱒鳶ルを楽器のように使いたい」と蟻鱒鳶ルのあちこちをマイアミと一緒に叩いたりしながら、奏でてくれた。
上層階に突き出た長い鉄筋をマイアミは、ブォンブォン、ブゥインブゥインと鳴らし続けてくれた。
皆はギコギコトントンやっている。作業の音とビル自体の音が重なる。
僕も下の階で、椅子作りをしながらその音を聴いていた。
その音は、蟻鱒鳶ルの音だ。声だ。
低く静かに、蟻鱒鳶ルが初めての唸りを上げた。
蟻鱒鳶ルはここに在ります。
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