僕の化学物質過敏症は、型枠大工の時に日々扱っていたコンパネ(型枠用のベニア)に含まれているホルムアルデヒドによって発症した。
あまり詳しくないけどホルムアルデヒドは、昆虫採集の時に使ったホルマリンの何かで、本来腐るものを、腐らさないパワーがあり、水分タップリのコンクリートの型枠をベニアでやるには、どうしてもこいつのパワーに頼らざるをえないようである。
コンパネは、エジソンが発明したと言われていて、流石エジソン!!と言いたくなるほどに便利なモノ。
何が便利かというと、
設計者が頭で考えた形態が、かなり正確に作れる。という事だと思うんです。
杉板を型枠にしようと思ったくらいでも、杉板のことをかなり理解しなければ難しくなるんだけど、コンパネなら浅い理解で大丈夫。
コンクリートとコンパネは二人三脚のようにタッグを組み、近代建築を盛り上げ、安藤忠雄さんに至っては、ウットリするほど美しい様式に高められたわけだ。
だけどね、兎に角健康に悪い。
型枠材だから、住む人にはあまり影響が無いんだけど、職人さんの身体を蝕みます。
最近は、ベニアの原料になる材木をとるためにアジアの森を潰し過ぎて、そういう点からも問題視されてるそうだし。
あと、化学物質タップリだから、簡単に燃やせなくって、ゴミとしてもかなり良く無い。エコから見てもアウトと。
そして高山建築学校では去年あたりからゴーへー君が「高山でベニア買うのやめよう、今あるのが終わったら終わりにしよう」と言っている。
良い筋だと思う、、だけどと僕は言う。
「いきなりは難し過ぎる。コンパネと近代建築は、その思想性から言ってもバッチリ結びついていて、そこから脱するにはもっともっと考えなきゃ無理だ。若い学生など、コンパネがあって、やっとやっとデザインが出来ているようなモノで、、、」
僕の身体を蝕んだコンパネを擁護したりしてる、、、。
筋なのだ。
コンパネは、素材のこと、工法のことなど、ほぼ何も知らなくてもデザインを考える事が出来るシロモノで、今年の高山のテーマだった「手で考える」をすっ飛ばしていけるお気楽なヤツなのだ、ここは間違いなく鍵となる。
写真は、コンパネを使わないゴーへー君の型枠と、
蟻鱒鳶ルの型枠に使っているベニア(コンパネじゃないので、水に弱くカビてる。ビニールラップ工法で、どうにか使い続けている、うちはセコイから何年も使う)
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