勢いで、想いを描きなぐった絵を、石山修武さんに絶賛され、
ショボい僕は、それが怖くなり、そっと撤退するような絵を描いた。
無理無理無理無理!俺なんかにそんな絶対無理!!
全力で逃げようともしたけど、
その絵こそが僕のたった一つの希望で、そこを避けたら、僕の命は萎みきっと徐々に死ぬしかなかったはずだ。
中国共産党に憧れ政治家として頑張っていた父が、天安門事件を境に希望を失くし、数年で徐々に死んでしまったようにだ。
怖くて怖くてたまらないけど、逃げる事は出来ず、着工してしまった。
石山修武さんに、何を褒められたのかすら判らない頭でだ。
友達と馬鹿話したり、呑みまくったりして、あまり 本質は見つめないようにして、自分の出来る事、理解出来る事をほんの少しづつ消化しながら進んでいった。
褒めてくれる人などほとんどいなかったけど、
応援するように、グッと尻を押してくれる友人は少しいた。
意味が無い。道楽ですか?そんな声が圧倒的に多かった。
当たり前だ、やってる本人も何やっているのか半信半疑なのだから。
三年くらいムリクリやれば完成するだろうから、わからなくても良いでしょ。闘ったフリして逃げ切るという卑怯な手も隠し持っていた。
俺なんかに無理無理無理無理!
卑下、日常。
着工10年近くが経ち、最近は褒めれれる事も増えてきた。
言葉とかじゃなくって、感情全部で褒めてくれたり、、
今日、名古屋から来た人が、僕がある聖者に似てると言った。
その人は、キリストやブッダのように奇跡を起こせるタイプじゃなくって、意思なんです、、。
あまりの言葉に少し戸惑ったけど、少しわかっている。
僕は、ショボい。
だけど、言い訳しながらでも、ムリクリ勇気を引っ張り出して、作り出し、作り続け、本当に素晴らしい悦びを得た。あんなに絶望していた僕がハッキリとした希望を掴んだ。
価値のある経験をしたのだ。
まだ、この一つくらいだけど、人に伝える価値のある事を知ったのだから、伝える係りをやんなきゃいけない。
卑下ってる場合じゃねえぞ!
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